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2018年2月の記事一覧

[ KNOWS Now! ] 31号

【 KNOWS なう~ KNOWS の中には今 (NOW) がある~】
特定非営利法人 KNOWS の子供たちの未来に橋を架けるメルマガ 

平昌冬季オリンピックも終盤を迎えています。
「雪」や「氷」が身近にない地域で生活している者にとっては、スキー板やスノーボード、あるいはスケート靴などで競技をすること自体に「驚き」があります。

まして100メートル近くも跳んだり、何回も空中で回転したり、500メートルを30秒台で滑ったりする様子は、別世界で繰り広げられるパフォーマンスを観ているようです。

選手一人一人が目指している領域に、連れていってもらっているような喜びさえ感じます。メダルの有無を超えた、「人間の能力の可能性への挑戦」。その成果を見たくて、テレビにかじりついている日々です。

さて今号は、KNOWS北日本青森支部が主催した「学修をデザインする勉強会」(会場:仙台市)について前多理事から報告してもらいます。

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Ⅰ「学修をデザインする勉強会」報告

Ⅱ「物理屋になりたかったんだよ」
小柴昌俊の言葉

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Ⅰ「学修をデザインする勉強会」の報告

先日、仙台市で「学修デザイン講座(仮)」の試作版を開催しました。
学修デザイン講座とは「誰もが夢中になれる学びの場」を自分でできるようにするための講座です。
この、「誰も」には、学習者である児童、生徒、学生、受講生はもちろん、授業や講座を進める立場の教師や講師も含みます。OECDの調査によると、日本の子供達の自己肯定感は他の国々に比べて低いものになっています。

また、教員が主体的な学びを引き出すことに対しての自信が低く、疲れ切った大人の背中を学生に見せ続けたら、学生の自尊心を高めることになるでしょうか。

国は主体的、対話的で深い学びの実施と、教員の多忙化解消という、二つの相反することを、同時に学校現場に求めています。その矛盾を解消することができるのが、学修デザイン講座です。

学修デザイン講座で授業を設計することで、多様な特性を持つ学習者に対して、最適な学びの場を、効率的に作り上げることができます。

学修デザイン講座は、アメリカのポール・シーリィ博士が加速学習の原理原則に基づいたアクセラメンツをベースに作られています。

学修デザイン講座を受講して、学習サイクルの7つのステップを学び、それに合わせて授業や講座を設計することで、比較的高い確度で「誰もが夢中になれる学びの場」を作り出すことができます。

初級学修デザイン講座(仮)は3つのパートに別れています。
1つ目は、学修デザインが必要となった背景と、効果的な学習サイクルを学ぶパートです。
2つ目は、実際に学習サイクルに当てはめてデザインされた模擬授業・模擬講座を体験するパートです。
3つ目は、実際に自分の授業や講座をデザインしてみるパートです。

実は、この初級学修デザイン講座自体も、学習サイクルに当てはめてデザインされています。講座終了後の充実感を体験することにより、講座内容をより深く理解できるようになっています。

正式な提供開始は2018年末頃を目指していますが、クォリティを高めるために、各地でトライアル講座を順次開催していきます。
興味がある方は、ぜひご参加ください。

(講座開催のお知らせはメルマガでも配信します。)

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Ⅱ「物理屋になりたかったんだよ」
小柴昌俊の言葉

1926年生まれ。理学博士。2002年にノーベル物理学賞受賞。
上記の言葉は、「物理屋になりたかったんだよ―ノーベル物理学賞への軌跡―」小柴昌俊著(朝日新聞社刊)のタイトルでもある。

なぜ「物理学者」ではなく、「物理屋」なのかは本を読んでもはっきりした「こたえ」はない。ただ「理論の分野」に見切りをつけて「実験の分野」に飛び込んだことや前向きで行動力があり、「説得力」や「交渉力」などに富んだ著者の生き方はヒントになる。

著者は、「優」が二つしかない卒業成績を公開している。そして、卒業式で学生たちに言う。「・・・学校の成績がよかったとしたら、それは受動的な認識がよくできることの証明である。」

続けて、大学院に入る、また実社会に出ると「自分自身で能動的に判断して行わなければならない。」
「成績が悪かったから、能動的な、あるいは創造的な仕事ができないということにはならない・・・。」と・・・。

すべての学生たちは、この言葉に大いに勇気づけられたのではないだろうか。

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[KNOWSなう]第31号はいかがでしたか?

32号の発行予定は3月上旬となります。

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[ KNOWS Now! ] 30号

【 KNOWS なう~ KNOWS の中には今 (NOW) がある~】
特定非営利法人 KNOWS の子供たちの未来に橋を架けるメルマガ 

2月4日は「立春」です。「春」という文字からは、温かさを感じると思いますが、春が始まりこれから緩やかに「春めいて」くるようです。

「寒さ」は、まだまだ続きますが、確かに「春」の気配を感じられる場面に出会えると思います。例えば植物の芽吹きや虫たちの動きなどを発見することができます。

先日、上野の国立西洋美術館に立ち寄ったら、前庭に雪が残っていましたが、梅の木には花が咲いていました。
少し歩くスピードをゆるめて、「春を探して」庭の草花や街路樹をゆっくり眺めてみませんか。

さて今号も、前号に続き村田理事長から「『学び方』を学ぶのが、21世紀の教育」の(4)を掲載します。

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Ⅰ「学び方」を学ぶのが、21世紀の教育(4)

Ⅱ「盤上で起こっているのはテクノロジーの世界。・・・」
羽生善治の言葉

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Ⅰ「学び方」を学ぶのが、21世紀の教育(4)

「深い学び」について
 平成生まれの方にはあまりピントこないかもしれませんが、20世紀から21世紀に変わるときに、千年単位で起こる変化を指して「ミレニアム」という言葉が盛んに使われました。

例えばヨーロッパの家具の色調が、二千年紀(1001年から2000年)は比較的暗い単調なものが主流だったのですが、三千年紀(2001年から3000年)は明るくカラフルなものになるだろうという予測がなされ、実際にそのような変化が起こっています。
 
教育の世界でもこのミレニアム的な変化が起こっているように見えます。親子やごく身近な関係の中で、生きるために必要な技術や知識の伝承、あるいは宗教に関する知識の伝承が主流だった教育が、二千年紀には生活の向上と、より多くの労働者の育成を目的とした教育に変化してきました。

そして三千年紀の初め、つまり現代は、一人一人にあった能力の開発に視点が移っているように見えます。1990年代後半以降が「脳科学の時代」と呼ばれるほど、目覚ましい速さで私たちの脳の研究が進められています。AI(人工知能)の進化はその1つの現れでしょう。

 20世紀までの教育は、学校という集団での学びの場が整うとともに、どんな知識を身につけるか、どのような理論を理解して使えるようになるか、といった顕在意識レベルでの教育が主流でした。

20世紀の終わり頃から、教育効果を高めるためには、膨大な情報を蓄えることができる潜在意識の働きを知り、活用しようという研究が盛んに行われています。

最近の指導要領の中でも使われるようになった「深い学び」という言葉は、教育におけるミレニアムな変化に反応した表現と言えるでしょう。

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Ⅱ「盤上で起こっているのはテクノロジーの世界。最先端を探究していきたい」
将棋永世七冠 羽生善治の言葉
(文藝春秋2018年2月号より)

羽生善治が竜王戦で勝利して、永世七冠を達成したときの会見での言葉です。

「自分の個性やアイデアを盤上で出そうと思ったら、最先端の技術を知っていなければならないという考えが根底にはあります。」

「・・・発想やアイデアというものは、フロンティアというか未開の部分で生まれる。既存の常識からは生まれないんですよ。」

羽生善治は、デビューから32年で「前人未踏」の「永世七冠」に辿り着いたと言われています。

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[KNOWSなう]第30号はいかがでしたか?

31号の発行予定は2月下旬となります。

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