2018年10月の記事一覧
[ KNOWS Now! ] 46号
【KNOWS なう~KNOWS の中には今(NOW) がある~】
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10月の半ばに、散歩がてら自宅近くの「こども植物園」を訪れました。そろそろ秋バラが咲いている頃だと思ったのです。しかし、園内に入るといつもと様子が違っていました。
柿の木は、低い枝にたわわに実をつけていますが高い枝はなく、南斜面のぶどう棚は枯れたツルが巻きついただけでした。そして、150品種を植えたバラ園は、開花数も少なく全体に寂しい印象でした。
スタッフの話では、台風24号で高い枝は折れ、葉は飛ばされて樹形が変わったが、それより“塩害”がひどいとのこと。横浜港から南西に10キロ離れた植物園でも“塩害”とは驚きでした。”へえ~“と、複雑な溜息をついた散歩になりました。
さて今号は、最新刊のKNOWS第7号の広報誌に掲載した宇都宮大学教職大学院の原田浩司准教授への「スペシャルインタビュー」を、抜粋して後半部分を掲載します。
◆◆◆◆目 次━━━━━━━━━━━━━━◆◇◆◆
Ⅰ 第7号KNOWS広報誌「スペシャルインタビュー」(2/2)
Ⅱ「考えたところで役に立たない。」 全盲のアブディンの言葉
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Ⅰ「(子どもたちの)それぞれのつまずきの原因を取り除けば本来持っている“学び”の意欲が目を覚ます!」(2/2)
子供たちには、具体的に何をどのように教えているのですか? 「手作りのテストで、子供たちのつまずきの原因を調べました。その結果、2年生ぐらいの内容でつまずいている子供たちが非常に多いことがわかりました。」
「そこで通常の授業は続行しながら、朝15分間、復習の時間を設けて、希望者を募り、つまずいている部分をピンポイントで指導することにしました。」
「そうしたら、子供たちが生き生きと学び始め、みるみる学力が伸びました。子供たちが本来持っている“学びたい”意欲が目覚めたのですね。」 「学習を前に進めるには、まずしっかり基礎固めをすることが大切です。」 「科学的データに基づいて学校としてそれぞれの子供に合った教育方針を立て、チーム体制で取り組むことが大事です。」
現在は、「特別支援教育のリーダーとなる人材を増やすことが重要だと考え、教師を目指す学生や、現職の先生方に学習障害の子供たちへの支援の方法を、実践的に指導しています。」
原田浩司准教授の「スペシャルインタビュー」は、KNOWSのホームページ「広報誌Vol.7」で読むことができます。
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Ⅱ「考えたところで役に立たない。」 モハメド・オマル・アブディンの言葉
モハメド・オマル・アブディンは、1978年スーダン生まれ。生後から弱視で、12歳の時に視力を失う。19歳で来日。福井盲学校、筑波技術短期大学を経て東京外国語大学に入学。現在、同大学特任助教。同書は音声読み上げソフトで書いた。
著書「わが盲想」の中で高野秀行との「特別対談」の中での言葉。
「あっという間に結婚して、子どもができて。と思ったら、子どもが3人になっていてね。」と、高野は、アブディンの14年間での“変わり具合”に驚く。そして「将来のことは考えない!計画を立てない!」と問うと、アブディンは「考えたところで役に立たない。」と答えた。
日常では、「考えてから」自らの進む方向を決めたり決断をするが、考えることで却ってネガティブになったり、慎重になりすぎて、一歩を踏み出せないこともある。それこそ“目を閉じて”動き出すときも必要なのかもしれない。
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[KNOWSなう]第46号はいかがでしたか?
47号の発行予定は11月上旬となります。
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[ KNOWS Now! ] 45号
【KNOWS なう~KNOWS の中には今(NOW) がある~】
特定非営利法人KNOWS の子供たちの未来に橋をかけるメルマガ
三連休初日の午前中、本を読んでいたら急激に眠くなりました。ソファで少し微睡(まどろ)んでフッと目を開けると、窓から見える空は7,8割が薄い雲で覆われていました。
雲は微かに動いているようでメガネをかけない目には、衣を広げた“天女”に見えたり、ネバーエンディングストーリーの“ファルコン”に見えたりしました。また、店で売られている“ほうれん草の束”が見えたのは不思議でした。
8〜9月は、雲行きが心配でたびたび空を眺めたような気がします。台風25号が通り過ぎましたが、まだのんびり空を見る心地になれない方もいるかもしれません。しかし、秋たけなわです。「芸術」「スポーツ」「読書」「食欲」、いろいろな秋を満喫したいですね。
さて今号は、最新刊のKNOWS第7号の広報誌に掲載した宇都宮大学教職大学院の原田浩司准教授への「スペシャルインタビュー」を、抜粋して2回に分けて紹介します。
◆◆◆◆目 次━━━━━━━━━━━━━━◆◇◆◆
Ⅰ 第7号KNOWS広報誌「スペシャルインタビュー」(1/2)
Ⅱ「私たちの改革のキーワードは『グローカル(グローバル&ローカル)』なのです。
三菱UFJ銀行頭取 三毛兼承の言葉
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Ⅰ「(子どもたちの)それぞれのつまずきの原因を取り除けば本来持っている“学び”の意欲が目を覚ます!」
宇都宮大学教職大学院の原田浩司准教授が、現役の教員時代に校長として赴任した小学校は、問題の多い学校でした。
だが着任して1年を経ないうちに、問題行動が激減し、環境が健全化しました。
学校はどんな状態だったのですか?
「全校児童約300名の1割は、情緒不安定で落ち着いて“学び”に向かうことができません。学校に来るのを嫌がったり、教室から飛び出してしまったり、教科書を破いたり人の持ち物を壊したりということが、日常茶飯事になっていました。」
「また日本語を母国語としない外国籍の子や、家庭で勉強を見てもらえない子どもも多く、学習に何らかの問題を抱えている児童が全校児童の半数近くに上っていました。」
どのように改善したのですか?
「学習以前の問題として、子供たちには情緒の安定や心の平安が必要だと思いました。そこで問題行動の多い子供たちに声をかけて、一緒にキャッチボールをしたり、話をしたりしました。」
「数週間、数ヶ月が経ち、彼らの鋭かった眼差しが柔らかくなり、問題行動がおさまったころ、いよいよ“学び”の取り組みに着手したのです。」
「つまずきの原因を明らかにして、一人ひとりに合った方法で学習の基礎固めを支援」
発達障害を国では3つに分けています。ひとつ目はADHD
(注意欠如多動症)。2つ目は自閉症スペクトラム。3つ目が学習障害(LD)です。
「今までの教育の軸である熱意と繰り返しの指導では、当てはまらない子供もいるということがわかってきました。それぞれの子供に合った指導方法が求められているのです。」
「まず、障害をできるだけ早く発見することが重要です。例えば私も推奨しているMIM(Multilayer Instruction Model:ミム)という多層指導モデルは、小学校1年生、2年生の早い段階で“読み”の問題点を発見するためのツールです。」
原田浩司准教授の「スペシャルインタビュー」は、KNOWSのホームページ「広報誌Vol.7」で読むことができます。
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Ⅱ「私たちの改革のキーワードは『グローカル(グローバル&ローカル)』なのです。
三菱UFJ銀行頭取 三毛兼承の言葉
(文藝春秋2018年10月号から)
「成長するためにはローカル(=国内)の改革が大前提で、それがあってはじめてグローバルな成長が可能になると信じています。」
「銀行は、時代と環境に合わせて変わらなければなりません。しかし変えてはいけない大切なものが二つあります。『価値』と『ミッション』です。」
この改革のキーワードが永く銀行内で語り継がれるのか、それとも2~3年後に新たなキーワードが提案されるのか注視したいです。
文藝春秋10月号、「『さらば年功序列』宣言」のタイトルで、金融ジャーナリスト浪川攻が聞き書きした記事から。
三毛兼承(みけかねつぐ)氏は、2017年6月から現職。
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[KNOWSなう]第45号はいかがでしたか?
46号の発行予定は10月下旬となります。
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